再生医療（幹細胞療法）
器官や臓器を再生させる幹細胞
幹細胞とは？
動物の体には、さまざまな器官や臓器などに分化（変化）する細胞が存在しており、これを幹細胞（かんさいぼう）と呼びます。幹細胞療法とは、この幹細胞を体外で培養し、イヌやネコの体に戻すことで、失われた臓器の再生や怪我の修復を行う治療法です。
幹細胞療法で利用される幹細胞は2種類あります。ひとつは骨髄液の中に含まれる骨髄幹（こつずいかん）細胞、もうひとつは皮下脂肪の中に含まれる脂肪幹（しぼうかん）細胞です。
骨髄や皮下脂肪に由来する幹細胞は、骨・軟骨・筋肉・心筋細胞、さらに血管を形成する細胞へ分化することが確認されています。幹細胞療法は、こうした分化能力を活用し、自分自身の細胞から必要な器官や臓器を「再生」させる治療法なのです。
幹細胞療法とは？
動物の体にある細胞は、もとの細胞からいろいろな器官や臓器を形成する細胞へと変化し、この変化を「分化」といいます。そして、このもとになる細胞が幹細胞です。もともと骨髄や脂肪組織に含まれる幹細胞は、筋肉・心筋・血管・骨・軟骨などに分化することが知られています。いわゆる iPS細胞やES細胞のような万能細胞とは異なり、分化できる細胞の種類が限られていることが特徴です。
病気のイヌやネコから脂肪組織や骨髄液を少量採取し、そこから増殖させた幹細胞を用いて、ダメージを受けた細胞や組織を修復・再生させる治療法を指します。幹細胞は、血液中に投与される場合もあれば、患部に直接移植される場合もあります。
幹細胞療法とその種類
骨髄幹細胞療法（MSC療法）
イヌまたはネコの骨髄液を採取し、幹細胞だけを特殊な容器で前培養します。その後、本培養をして細胞の数を増やしてから、細胞を集め、洗浄して患部への直接の注射や、点滴によって体内に投与します。
脂肪幹細胞療法（ADSC療法）
脂肪幹細胞は皮下脂肪に存在しています。イヌまたはネコの脂肪組織を少しだけ採取し、特殊な酵素液で分解して幹細胞を単離、特殊な容器で細胞を前培養します。その後、本培養をして細胞の数を増やしてから、細胞を集め、洗浄して患部への直接の注射や点滴によって体内に投与します。自分の幹細胞だけでなく、他の犬・猫からドナーとなる幹細胞を受けて治療することもあります。
